バブルの熱狂が続いていた90年代初頭から、バブルが弾けた不況の90年代を通して、小売業全体が苦戦を強いられるなかにあって、世の不況とはまるで縁がないかのように我が世の春を謳歌したのが、セレクトショップと呼ばれる業態である。なかでもビームス、シップス、ユナイテッドアローズの3社は、御三家と呼ばれ、90年代の日本のファッションシーンを牽引した。御三家時代の幕開けは、正確には、ビームスを89年に退社した人が起こしたユナイテッドアローズが、中継ぎ的に運営していた原宿のマリナドブルボンを経て、90年渋谷に1号店を出し、翌年の91年に原宿にアルトーロッジが建築を手がけた旗艦店のオープン以降のことである。当時は80年代にW浅野と呼ばれ、浅野温子とともにブレイクした浅野ゆう子御用達といわれたシップスが売り上げでは頭ひとつぬきんでた存在だったが、この3社が共存、競合、共栄したのが、90年代であった。また、その御三家の後を追うように、現在スピック&スパン、エディフィス、イェナ、ジャーナルスタンダード、マテリオなどを擁するベイクルーズとトゥモローランド、デープレ、エディションなどを擁するトゥモローランドが、ポスト御三家として頭角を現す。