明るい目差しのもと、散策をしたりスポーツを楽しむことはどれほど心を仲びやかにするでしょう。太陽の光を受けて輝く波頭や抜けるような青空は、私たちの心を穏やかに洗ってくれるばかりでなく、植物を育み、自然の恵みをもたらしてくれるものです。しかし今日、こと肌に関していえば、太陽がおよぼす影響が「百害あって一利なし」であることが多くの専門家が認めるところです。とりわけフロンガスによるオゾン層の破壊が進み、地上に達する有害な紫外線の増加が指摘されています。紫外線が皮膚表面から深いところまで継続的に透過すると、皮膚組織だけでなく、皮膚よりも下の組織まで傷つけられてしまいかねません。たとえば細胞の中の遺伝子にまでその害が及び、腫瘍が引き起こされるなど、紫外線は健康ヒの問題、さらにいうならば生命の危険にも関わる可能性があるのです。しかし、私たちの体はよくできたもので、このような危険から自らを守る機能が備わっています。ひとたび強い紫外線を受けたり、あるいは弱い紫外線でも長時問浴び続けたりすると、次にふたたび紫外線を浴びたときに、皮尉の表川から深いところまで川かないようにシャットアウトしてくれる働きです。皮府への紫外線の侵入を感知すると、体を守るために「非常線」を張るように指令が下されるのです。この指令を受け収るのがメラノサイトと呼ばれる細胞で、衣皮の一番ドに存在しています。指令を受けたメラノサイトは、有害な紫外線から体を守るためにメラニンという物質をつくりはじめます。もともとメラニンは褐色を帯びているものですが、たくさんのメラニンが集合すると、令体的にこげ茶色に映ります。つまりこの状態が「目焼け」にあたります。メラニンというと即シミに結びつけ、ご忠者”だとお考えになるかもしれませんが、じつはもともとは、メラニンは体を守るために重要な働きをしてくれる物質なのです。「シミ」はメラニンの密度が濃くなったもの夏に紫外線を浴びて黒くなった肌は、秋、冬になって紫外線を浴びないでいると、少しずつ元の色を取り戻していきます。これは「ターンオーバー」と呼ばれる新陳代謝が働いているため。紫外線を浴びなくなると、メラノサイトは過剰なメラニンをつくらなくなります。その一方、すでに里一くなった皮府細胞が表曲に押し上げられていき、やがて垢となって剥がれ落ち、新しくっくられた細胞は本来の肌色の状態を保っているため、しだいにもとの色を取り戻すというわけです。しかし、日焼けからの再生にも限界があります。たとえば極度に強い紫外線を浴びたり、強度の紫外線でなくとも慢性的に浴び続けていると、肌に…fハ常現象が起こります。局部的に多数のメラノサイトが集まる、あるいは、もともとそこにあるメラノサイトが紫外線を浴びなくなったあともメラニンをつくり続けるなど。いずれの場合も、迦常より多数のメラニンをつくることになり、そこを中心に皮膚組織のメラニン密度が濃くなります。これがシミ」と呼ばれる状態なのです。