不透明な収益構造や業者間のリベートの存在など、旧態依然としたイメージが強かっかブライダル業界。しかし近年は、ブライダルメディアの定着や、業界団体BIAなどの努力で、透明性はかなり増したといわれる。それでも、企業のコンプライアンス(法令遵守)が一般消費者においても強く認識され始めた昨今、消費者の法律問題、企業の商道徳からも、いま一歩深い理解を示すこととその対応策を講じることが求められるようになってきている。消費者との契約にまつわる事例で、過去にこういうトラブルがあった。東京都内の結婚式場に申し込んだ消費者が後になって解約。解約が挙式予定日の1年以上も前だったことから、消費者が式場業者に対し、申込金10万円の返還を求めて訴訟を起こした。東京地裁は、式場業者に、消費者へ返還を命じる判決を言い渡している。「挙式予定日の1年以上も前からこの結婚式場で予約を入れるカップルは2割に満たず、解約後に新たな予約が入ることも大いに想定されるため、損害が生じる可能性は小さい」との判決理由だった。「予約を取り消した場合は、いかなる理由であれ申込金をいただく」と記載された式場業者による申込書も存在した。しかし、式場業者は「損害を超える違約金は無効」とした「消費者契約法」(01年施行)の規定に基づき、裁判所に申込金の返還を言い渡されたのである。このことから、消費者が1年以上も前に解約すれば、式場業者は申込金の返還に応じざるを得なくなる可能性が高い。